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春ですね。新入学、新入社おめでとうございます記念 ギター始めたら、まず弦交換でしょの巻

2018/4/25
Written by markun
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Music

みなさまー、はじめまして!
“おたいち” 加古川店 楽器(ギターリペア)担当のmarkunです。
簡単にですが、自己紹介させてくださいませ!
 
中2か中3の時にLUNASEAの『END OF SORROW』に衝撃を受けてギターを始めたものの、エレキギターの “構造” に興味を持ち、ギター製作&修理の道へ。その後、某有名楽器店でギターリペアが主業務、超有名電気ブランドの電気メーカーで開発補助業務などを経て、お宝市番館(おたいち)へ入社しました。
好きな音楽はロック全般、ギターインスト…ざっくりですが、Gary MooreとかAndy Timmonsとかです。挙げだすとキリがないので、またどこかで紹介できればと思います!
 
主に物理的、電気的にギターの構造やサウンドに対しての記事を定期的に連載していく予定です。
みなさま、よろしくお願いします!!
 
 

はじめに

ギターの音質、ファクター(要素)は、使用されている木材、塗装、マイク、電気系のパーツ、アンプやケーブル様々なマテリアル(素材)によって形成されているのですが、いくら良い楽器(パーツ搭載)を持っていたとしても、そのポテンシャルを引き出せていないなんて事は、しばしば見受けられがちです。
 
 
……唐突ですが、

先ず古い弦は、張り替えたほうがいい。
いや、張り替えるべきなんです。

何故かといいますと、弦は張力で少しずつノビていき、古い弦は酸化して、最悪錆びる。 そうなると…

1.弾きにくい、滑りが悪い
操作性が落ちます。これではパフォーマンスを引き出すのにとても足かせですね。
2.音程が不安定になる、もしくはチューニングが安定しなくなる
音痴なサウンドはテンション下がります。オクターブも合いにくくなる原因の一つですね。
3.切れやすくなる
大事なGIG最中に頭真っ白ってことにもなりかねません、弦は消耗品なのです。
4.音が暗くなる、音が伸びなくなる、もしくは伸びがうねる
いわゆるハリやツヤが失われます、簡単に言うと音に元気が無くなります。
5.ワウンド弦(巻き弦)を弾くと弦から異音がする
巻き線のゆるみが原因で芯線と共振し合っています。
6.フレットや指板を痛める
フレットも消耗品ですが交換に3万円~以上の工賃が必要に…
7.汚い、臭い、痛い
はい、これ…もう、嬉しい方はそうはいないでしょう。

ほんと正直いいことありません。2週間から4週間を目安に、長くても6週間くらいまでには交換をお勧めします。

 
 

実践:弦の張り替え

【用意するもの】

弦を切るためのニッパーもしくはペンチ
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写真左の貧弱なニッパーだとすぐ刃こぼれを起こしてまうので、右の屈強なペンチぐらいのがいいかもしれません。

 

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僕は弦の切り代を出来るだけ残したくないので、喰い切り(エンドニッパー)を使います。それと、有ると無いとで作業効率が雲泥の差が出ますので、ストリングワインダー(弦巻き)ワインダー無しで手だけで巻くと中々これが…泣けてきます。

 

交換用の弦
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今回はダダリオのEXL110、10-46を使用します。
通常特別なチューニングをしないのであれば、下記の表のゲージのセット選んでいただければいいんではないかと思います。
※ネック、ナット溝の状態もありますので、あくまでも目安です。
1弦側 09~10
6弦側 42~46

 
 

弦のお話

各メーカーから様々な仕様、材質等の弦が販売されていますが、高い弦が良いってことは決してありません。ただ、3つほど注意がありまして、避けたほうがいい弦があります。
 

①安すぎる弦

特にエレキ、ベース系ですが、エレキ系は電磁誘導作用(コイルと磁石、フレミングとかの類の話)で、信号に変換される仕様のマイクが載っています。弦は純度の高い磁性体(磁気を帯びる材質の金属)でなければいけません。したがって、安い弦は磁気の帯びる成分の少ない材質が使われていることがありますので、本来の出力とかけ離れた弱い電気信号しか送れなくなってしまいます。
お使いのエレキが高級なマイクが載ってあっても、高級なケーブルを使用しても本来とかけ離れたサウンドになってしまうということになるためです。
 

②特価の古いパッケージの弦

酸化して錆びている可能性が多々あります。パッケージの中で弦が死んでいるということになるためです。
 

③ナット溝幅に合ってないゲージの弦

ナット溝上で弦が挟まったり、遊んだり、チューニングの安定性、異音の発生、無理な圧力による、ナットの割れ等が生じる原因になるためです。
 
今回の弦交換の目的は、先ずその楽器をデフォルト(元の形)に戻すということでありますので、定番の弦を強くお勧めします。
価格が2倍ほどするコーティング弦は寿命が価格と対比するほどありますので、弦交換の手間は省けるので利点はありますが、弾き心地やサウンドで好き嫌いが分かれますので、お好みでどうぞって程度のものです。
 
 
さて、今回使用するギターをご紹介したいと思います。当店の中古品バッカスのBTL君(テレキャスタータイプ)です。

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ハンドメイドシリーズ、PUレイアウトが渋いっすね。信頼の日本製、飛鳥madeデス!もちろんラッカーフィニッシュ

 

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指板はローズウッド、今日は指板とフレットのクリーニングもしたいと思います。

 

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ブリッジサドルが結構黒くくすんでいますね。ブラス材なので、本来は金ピカのはずなのですが…

 

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横穴式のロトマチックタイプのペグです。今回は、当店で実施している巻き方をご紹介します。

 

はい、さっさく作業開始!!
 

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ストリングワインダーで弦を緩めていきます。
これが無いとちまちま手で回さなアカンはめになりますので、くれぐれもご用意くださいね!

 

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指が入るくらい、緩めておかないと、弦が飛び跳ねて危ないですからね。
あっ!ネック枕あったら便利ですね。この小汚いネック置きです。何回も潰れては直ししてるお手製です。僕の使ってるネック枕はもう10年以上選手です!

 

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これくらいでOKでしょう!十分に緩めておきましょう。

 

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そうしたら、古い弦を切りましょう。僕はこのあたりを切るのですが、デッカイペンチとだと入りませんので、真ん中あたりでもOKです。

 

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テレキャスタータイプなので裏通し仕様です。ブリッジからボディバックへ貫通していますので、すみやかに弦を抜きましょう。
あ~テレキャスあるあるですが、ボディバックにある弦を止めてるストッパー(通称:弦止めブッシュ)が、乾燥等によりボディに縮みが生じて欠落してしまうことがあります。失くしてしまわないように…。

 

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はい、古い弦の取り外し完了です。
ペグのポスト(弦の通る穴)から弦を外す時は、くれぐれもケガに注意してくださいね。

 

次はフレット、指板のクリーニング行きまーす。
(任意でーす)
【用意するもの】

markun01_14■ピカール
ご存じ!!金属磨き。
■SUSの指板ガード
マスキングテープでも可。
■ウエス
古いクロスなどでOK。

markun01_15■ブルーマジック メタルポリッシュクリーム

こやつは研磨剤を含まない金属磨きです。(アンモニア臭がいい感じに懐かしい。)
通常は『ピカール』で十分ですが、より光沢がほしい時やデリケートな金属メッキを使います。

markun01_16■ハワード フィーデンワックス

オレンジオイルとビーズワックス混合品。指板の保湿、クリーニング、ラッカー塗装の艶出しに使います。オレンジオイル、特にレモンオイル(ジッポオイルに近いかも)は、浸透性に優れクリーニングには向いているのですが、保湿材にはあまり向いていません…というか、ほとんど無意味です。また機会があれば実験レポートしようかと思います。

 

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ウエスにピカールを少量とります。

 

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指板ガードで指板を保護しながら、1本1本丁寧に磨いていきましょう。
 
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ハイポジ側から順に磨いていってるのですが、画像でわかりますかねぇ? 磨いているカ所より右側が光沢が出ていうのがわかると思います。コツはフレット頂点だけ磨くのではなく、フレットサイドも1~6弦を行き来するように磨いていきましょう。

 

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はい、磨き終えました。綺麗なフレットは気持ちいいっすね。

 

markun01_21 10~20分待ちますが、この間にボディやブリッジ等のクリーニングしておきましょう。

 

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時間になりました!キッチンペーパーもしくはティッシュ等で丁寧にふき取っていきます。研磨剤に含まれるコンパウンドや手垢がびっしり取れるので、隅々までフレット磨きと同じ動きで入念にふき取りましょう。ふき取りの作業をテキトーにすると、クリーニング時に付着した研磨剤が手に付いて “手が真っ黒” ってことにもなりかねますので…

 

クリーニング完了です!
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指板、フレット共に綺麗になりました。いやー気持ちいいっす。

 

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ブリッジも綺麗に仕上げましたよ!研磨剤とかは使ってません。何をどうしたかは企業秘密でーす。

 

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ボディも磨きました!パネルを外し電気系のチェック、クリーニングもしました。

 

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当店の中古品は1本1本このように手をかけてメンテ、調整を行って商品化しております。

 

 
 

新しい弦を張っていきましょう!
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先ずはペグのポスト(弦を通す穴)がとっ散らかっているので、下の画像のように通す方向に整列させておきましょう。

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そうすることで、弦交換がスムースに行えますので。

 

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ダダリオの弦はボールエンド(玉状の弦止め)が各弦に対して色が振り分けられており、非常にわかりやすいです。パッケージの指示色に従って弦を通して行きましょう。
※弦の先端は針みたいなもんです、取り扱いには十分に注意してください。また折り曲げ厳禁です!折り曲がってしまうと、バズ(音詰り)の原因になってしまいますので、そうなるともうその弦はいくら新しくても使い物にならなくなってしまいますので。

 

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はい、6連ペグですので、6弦から順に5弦4弦と順に1弦まで順に1本ずつ張りましょう。リバースヘッドの場合はその逆、3対3、4対2の場合は手前から順に交換していくと交換がし易く、作業がスムースに出来るかと思います。(写真は6弦をポストに通したところです。)

 

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通常ポストより下側を2~3周巻くのがセオリーのようですが、この横穴式のポスト利点を使いオートロック出来、通常の巻き方より弦が抜けにくく、また交換時に安全且つ外しやすい、ギターテック(ステージ袖でギタリストの機材管理、スピードを求められる場所で仕事をしている方々)仕様の巻き方をご紹介します。当店の横穴ポストペグのほとんどが、この巻き方を採用しております。
 
まず、ペグ1個~1個半の場所をつまみます。

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そのままブリッジ側へ戻し指板上にたわまします。巻き代を作るとも言います。

 

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ポストの上側に一周した後にし、ポストの下側に巻いていきます。ポストの上側を半周過ぎのとこです。

 

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ポストの上側を一周巻き終えるところです。ここからポストの下に巻いていきます。

 

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巻き方のフォームです。
左手でワインダーを動かし、右手人差し指でポスト手前をガイドし、右手中指、小指でたわみの部分をガイドします。
弦をねじらないように丁寧に巻いていきます。ねじって巻いてしまうと、共振や異音の原因にもなります。

 

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はい、巻き終えたところです。

 

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同じように4、5弦巻き終えたところです。

 

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すべての弦をポストへ巻き終えました。
 
ポストから出た余りの部分の根元をつまんで上下に振ります。そうすることで、ポストの上の一周の巻きをかみ殺して行きます。

 

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更に弦を反対側からも引っ張って、ポストの下側の一周もかみ殺していきます。チューニングをして、安定するまでチョーキングやベンディングをします。

 

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チューニングが安定したら、いよいよ弦を切ります。前述した通り、エンドニッパーでギリギリのところを切ります。

 

はい、完成です。
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緑矢印方向に力がかかると、赤矢印方向にかみ殺しが効きロックされる巻き方です。(下の写真を参照)
 
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1~3弦側 仕上がり
 
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4~6弦側 仕上がり

 

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まとめ

お疲れ様でした。
今回はエレキギターでのご説明になりましたが、アコーステックギターにも全く同じように弦交換していただけます。ただし、ゴトーの510シリーズの一部はポスト穴がポスト上部にありますので、巻き弦は少し厳しいかもしれません。それと、ベースであったり、縦穴式のポストペグはご紹介(構造上、今回紹介したオートロック方式の巻き方が出来ないため)しませんが、共通の部分も多々あると思います。はじめての方も、そうでない方もぜひトライしてみてください。
 
あー、ちなみに “マーチン巻き” は、僕はあまり好きではありません、何故ならチューニングの安定性はあるのですが、すごく手間がかかり、古い弦の取り外しの際、ケガをするあるいは大事なギターのヘッドトップを傷つけかねないからです。そういったところから、弦交換をすること自体が億劫になるということにもなりますからね。高級なギターが弦ともども残念な状態なものを見かけることも少なくありませんから。
あと、ポスト上で交差して弦が巻いてあったり、ポスト穴に何度も弦を通してあったり、もうこれは論外です。そのようなギターでいくら練習しても、上手くならないんじゃないかなーって思います。
 
弦を交換しないメリット、弦代の節約、交換の時間が要らないくらいで、最初の表にまとめた7つのデメリットのが、天秤にかけるまでもありませんね!弦はヴィンテージの付加価値は生みませんので、月1前後はマストでバンバン、張り替えましょう!それと、弾き終えた後は綺麗なクロスで拭くくせをつけましょうね、潤滑材は必要性はマストではありませんので、お好みでどうぞ!
 
弦はギターにとってなくてはならない命のようなものです。ギターは生き物、子供のようなものです、愛機を大切にしてあげてくださいね!!
 
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
 
 

著者紹介

markunお宝市番館 加古川店 楽器部門
お宝市番館 加古川店 楽器(ギターリペア)担当です。
はんだこて歴20年(笑)はんだの匂いと電気回路が大好物。久々に自作エフェクターでも作ろうかと思案中の今日この頃。
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